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人文科学系統とは?

人間の精神生活や精神文化という抽象的な概念を探る学科群からなる。研究対象は、文学、語学、文化、そして人間そのものだ。

●文化・コミュニケーションの分野が増加傾向

 人文科学系統とは?

文学・語学関係

日本や世界各国の文学・言語にアプローチ
 文学関係では、日本文学や国文学、英文学や英米文学、フランス文学、ドイツ文学などを対象とした学科がメインで、それぞれの国や地域に特有な文学や文化を研究する。外国文学を研究するには高度な語学力が不可欠であり、その意味で語学系の学科と重なる部分も多い。
 語学系の学科では、高い語学力の養成をめざすが、言語を媒体に各国や地域の文化への理解を深めることが、もう一つのねらいとなっている。英語学科が圧倒的に多く、ほかには中国語学科やフランス語学科、ドイツ語学科、スペイン語学科などがあり、世界の主要言語が学べる。ネイティブ教員が多いのも語学関係学科の特色だ。
 ほかに、日本語教員の養成も行う日本語学科、言語そのものを研究対象とする言語学科などがある。

史学・地理学関係

歴史の法則や人間と地理との関係を研究
 史学科や歴史学科では、日本史、東洋史、西洋史を中心に、現存する昔の史料や原典に当たって実証的に研究を進める。考古学や美学美術史学などの専攻・コースをおく大学もある。地理学は、学科として独立しているケースは少ないが、人文地理学を中心に研究を行う。
 このほか、複合的、学際的な学科として歴史文化学科、文化歴史学科、哲学歴史学科、史学地理学科などがおかれている。

哲学関係

思想・心理・行動など根源的な問題を研究
 人間そのものを研究対象とする分野で、哲学科と心理学科、そして宗教学関連の学科が中心となる。哲学科は、西洋哲学を中心に、日本や東洋の哲学と思考を研究する。
 心理学科は人間の心理と行動を科学的に研究するが、社会の発達とも密接に連携している。その研究対象は、教育や文化、社会構造や人間生理、さらにはそれらを取り巻く環境にまで広がっている。最近は、心の問題に対応できる専門家を養成する臨床心理学科や人間心理学科などをおく大学が増えている。

文化学関係

文化をさまざまな側面から学際的に研究
 さまざまな地域の文化について、言語、文学、思想、歴史、社会、民族、地誌等の視点から研究・比較する分野。文化学科、総合文化学科のほか、切り口によって地域文化学科、現代文化学科、比較文化学科、国際文化学科、言語文化学科、日本文化学科、英米文化学科、人間文化学科などがある。
 最近は、外国語の運用能力を高め、世界の社会と文化を多角的にとらえて、異文化を深く理解する国際文化学関連の学科の新設が目についている。

人間科学関係

人文科学・自然科学を総合して人間を研究
 中心は人間科学科で、心理学や社会学、教育学を核に「人間とは何か」を多角的・総合的に研究する。その対象分野は非常に幅広く、多岐にわたっている。人間関係学科もほぼ同じ内容で、現代社会における人間関係を総合的に理解し、人間と社会をトータルに把握するとともにさまざまな側面から人間理解を考えていく。
 このほか、人間をベースとして環境問題を考える人間環境学科や、人間の存在と行動について多角的、総合的に考える人間行動学科なども誕生している

その他

専門領域を超えて総合的・学際的に研究
 人文科学分野の伝統的な学問領域を統合して、総合的、学際的な研究を展開する学科もある。その代表は人文学科や人文科学科である。世界や社会とのつながりなど、さまざまな関係性を探る学科も多数おかれている。
 最近は、コミュニケーション学科、国際コミュニケーション学科、英語コミュニケーション学科など、コミュニケーションを冠した学科名が目につくようになった。異文化理解と国際感覚の修得をめざす学科が増えていく傾向にあるようだ。

人間とその周辺領域に多角的にアプローチ

 人文科学は、人類の文化を探究する学問である。ほかの系統と決定的に違うのは、人間の精神生活や精神文化という抽象的な概念を学ぶ対象としている点だ。
 文学部は、広範な研究分野を学科として独立させ、それぞれの学科の関連性も重視しながら研究を進める。人文学部は、文化のさまざまな領域の研究をより重視する点が特色。経済学、法学、社会学など社会科学系統の学科が併設されていることも多い。最近は、学科の領域をさらに拡大して、文系総合学部のような色彩を強めている。外国語学部は、各国や地域の言語を学ぶ学科で構成され、言語の運用能力を磨き、自在に駆使する実力養成を目標としている。
 このほか、文化研究に重点をおく国際文化学部現代文化学部情報文化学部文化情報学部や、学際的な内容の文芸学部がある。また、宗教関係には神学部仏教学部があり、人間関係について研究する学部には人間学部人間関係学部現代人間学部心理学部などがある。最近は、コミュニケーション学部国際コミュニケーション学部など、コミュニケーション関連の学部が増加しているのが特徴だ。

就職先●人間としての基本を身につけ、あらゆる分野に進出

 人間としての基本を身につけられることから、特定の分野に限定せず、いろいろな職業に結びつくことが強み。教員、出版・編集、広告・宣伝などのほか、語学力を活かして国際舞台で活躍する者もいる。心理学科は専門を活かした分野で力を発揮するケースもある。

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