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進学の基礎知識

医療・保健学系統とは?

いずれも人間の生命に関わる医学、歯学、看護学など、多くが国家試験に直結する学科。チーム医療を支える専門スタッフを養成する。

●チーム医療時代の、医療専門職をめざす

医学関係

医療を支える医師や医学研究者を養成
 医学部医学科(筑波大・金沢大は医学類)は6年制の医師養成機関であり、卒業して医師国家試験に合格することが医師になる唯一の方法である。
 現在、医学科・医学類は国立42大学、公立8大学、私立31大学におかれ、全国にほどよく分散している。これは1県1医大政策がとられ、1973年から多くの医大や医学部が誕生したことが背景にある。
 最近は、地方での医師不足や、小児科、産科、麻酔科など特定の診療科での医師不足が深刻になっているため、期限を設定して入学定員を増やす政策が進められている。しかし、大都市にある病院勤務の専門医を希望する者が多く、高齢者や慢性疾患の増加、在宅医療の推進などに対応できる家庭医や総合医は敬遠傾向が強いなど、医学教育への検討課題は尽きない。

歯学関係

歯と口腔領域を通して全身の健康を追究
 歯学部歯学科(日本歯科大は生命歯学科、福岡歯科大は口腔歯学科)は6年制で、卒業後国家試験に合格することが歯科医師になる唯一の方法である。
 歯科医師といえば、むし歯、歯周病、咬合不全など、歯の治療が思い浮かぶが、近年の歯科医療は歯だけではなく口腔全体の健康を扱う方法に発展している。
 口の周囲の組織の病気を予防し、治療して口腔の健康を守る歯科医療は、医学と深く関わっており、高度な医学知識も要求されている。手先の器用さが重視された技術中心の歯科教育は、過去のものとなりつつあるようだ。

薬学関係

 医療・保健学系統とは?

薬品を通して健康と生活環境の向上に貢献
 薬学部には薬剤師を養成する6年制の学科と、創薬科学の研究者や技術者を養成する4年制の学科がある。6年制には薬学科、医療薬学科などがあり、高度な医療に対応できる医薬品の専門知識を有してチーム医療の一翼を担う薬剤師や、患者の立場に立って副作用や薬害を防止できる薬剤師を養成する。4年制には薬科学科、創薬科学科、生命薬科学科などがある。卒業後は大学院に進学して研究能力を身につけたあと、医薬品開発の研究者や技術者として新薬創製と開発などに携わることになる。

看護学関係

在宅医療時代の多様なニーズに対応する
 現在、260を超える大学に看護学科や保健看護学科、人間看護学科などがある。また、保健学科などに看護学専攻をおいている大学も多い。看護学科では、看護の活動分野の拡大に伴い、健康増進から臨床看護、在宅看護、ターミナルケアまで、幅広く対応できる総合的な看護専門職の養成をめざした新しい看護教育が始まっている。看護学科を卒業すると看護師国家試験受験資格が取得でき、大学によっては所定の科目を選択履修することで、保健師や助産師の国家試験受験資格も取得できる。

医療技術関係

チーム医療を支える専門スタッフを養成
 病院では医師や看護師以外にもさまざまな医療専門職が活躍している。いずれも資格制度があり、資格を得てはじめて医療業務に就くことができる。
 学科としては、臨床検査技師を養成する臨床検査技術学科、診療放射線技師を養成する診療放射線学科、理学療法士や作業療法士を養成する理学療法学科、作業療法学科、リハビリテーション学科、言語聴覚士を養成する言語聴覚療法学科、柔道整復師やトレーナーを養成する柔道整復学科、鍼灸師を養成する鍼灸学科、臨床工学技士を養成する臨床工学科や医療工学科、歯科衛生士や歯科技工士を養成する口腔保健学科などがある。
 これらの学科は短大や専門学校にもおかれているが、高度化、専門化する医療に対応し高い専門性を身につけた医療専門職を養成するため、大学に移行するケースが増えている。

その他

管理栄養士や基礎研究者の養成をめざす
 医療専門職のほか、高度な知識とアイデアで医師と連携して活躍する管理栄養士を養成する栄養学科や健康栄養学科や、ライフサイエンスやバイオサイエンスの基礎研究者の養成をめざす生命医科学科などがおかれている。

さまざまな国家資格に直結した学部・学科群

 病気になったら医療が求められることになるが、最近は過度の延命への疑問、終末医療のあり方、脳死からの臓器移植など先端医療における倫理の確立、患者や家族が治療法の説明を求めるインフォームドコンセントなど次々と新たな課題が生まれ、社会の目は「医療における人間性のあり方」に向いている。
 また、医療技術は日進月歩の進展を続けており、最近の先進医療は今まで治療が難しいとされていた疾病でさえ完治できるようになった。こうした先進医療が進むいっぽうで、高齢化に伴う慢性疾患などの増加に対して、医師中心の医療から医薬分業における薬剤師の参加、在宅療養患者への訪問看護やリハビリテーションの導入など、チーム医療の充実を目的に医療専門職養成のための大学教育が始まり、さまざまな医療技術系の学部が生まれた。
 その中心を担うのが医師を養成する医学部、歯科医師を養成する歯学部、薬剤師や製薬技術者を養成する薬学部、看護師や保健師を養成する看護学部など。最近は看護学部の新設ラッシュのほか、チーム医療を支えるコ・メディカルスタッフを養成する医療技術学部リハビリテーション学部診療放射線学部など、福祉・健康を柱にした学部が設置されている。

就職先●国家試験合格後は資格を活かした職業に進む

 ほとんどが国家資格に直結しているのが特徴。医師、歯科医師、薬剤師、看護師、診療放射線技師、理学療法士など、卒業生の大半が各資格を活かした道を歩む。

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